帯柏葉高演劇部 晴れ舞台報告
第33回全国高校総合文化祭で見事、最高賞に輝いた帯広柏葉高校演劇部が8月30日、東京都の国立劇場で開かれた「第20回全国高等学校総合文化祭 優秀校東京公演」(8月29日から2日間)に出演しました。
ひたむきに演劇に打ち込む若者たちの姿が多くの観客の胸を打った同公演2日目の模様を、都内に住む私の知人がリポートしてくれました。
帯広出身の歌手、中島みゆきさんのコアファンとして知られ、みゆきファンには「よっちゃん」の愛称で親しまれている保母善将さん。
中島みゆきさんの出身校である帯広柏葉高校の動向については、日ごろから温かい愛情を持って見つめていただいており、今回の寄稿となりました。
保母さんには、この場をお借りしてお礼申し上げます。
以下、彼の観劇記をご紹介します。
「夢」国立劇場の夏
帯広柏葉高校演劇部 大トリで輝く!!
「第20回全国高等学校総合文化祭 優秀校東京公演」(主催:文化庁、社団法人全国高等学校文化連盟)が8月29日(土)、30日(日)両日、東京半蔵門の国立劇場で開催された。
2日目30日は正午過ぎから台風の影響による小雨が降る中、当日券を求めるファンが並ぶほど盛況のうちに幕を開けた。
三重県高等学校吟詠剣詩舞の演技舞いから始まり、徳島と栃木の優秀校による箏楽の競演が良いコントラストを映し、大阪府白頭学院による韓国の民俗舞踊の躍動感が会場を魅了し、また、熊本必由館高の和太鼓の迫力ある響きに会場は圧倒されていた。
そして、いよいよ残る2つのプログラム。千葉県立松戸馬橋高による演劇「赤鬼」は、野田秀樹作だ。スピード感あふれる舞台とセリフの洪水、コミカルな動き、異文化と接するときの人間のこっけいさ、そして残酷さ、やがてそれが身に降りかかったときのやるせない人間性。様々なテーマを見事に演じ切った生徒たちは圧巻だった。
7分間の休けい時間のあと、この高校生文化部の甲子園とも言える国立劇場の大トリを飾ったのは、帯広柏葉高校の「これからごはん」だ。作品の基礎となる話は顧問の五十嵐英実教諭の昔話だが、脚本やセリフは生徒たちが多くの時間をかけて稽古を積んで作り上げてきた。舞台の時計の針は午前4時半を示し、その同じ時間の進行に合わせてストーリーが展開してゆく。大掛かりなセットの展開もなく、ちゃぶ台のある昔ながらの民家の一室で、全ての会話と人々の表情が、刻一刻と演じられてゆく。一つひとつの動作の〝間〟がとても大切で、セリフを交わすときも、むしろ無口でいる〝タメ〟の演技に味わいが出てくるような、静ひつな空間を大切に進行していく高度なチームワークが求められる作品。それでいて取り上げるテーマが身近なものであるため、まるで上手に演技をし、感情を無理なく表現していることがあたかも当たり前ことのように見られてします作品だが、伝わってくる温かさ、ほのぼのとした家族のありようは現代社会が少しずつ失ってきた原風景を再現しているようだ。
最後にインタビューを受けていた4名、3年生の山口日向子さん、堀啓子さん、溝口真里恵さんはそれぞれの年齢に不相応な役を割り当てられ、その役作りの苦労を打ち明けていた。また、演出として同じくインタビューを受けた2年生の中島利奈さんは、大きな晴れ舞台で見事に一つの大仕事をやり遂げた想いを爆発させていた。また、涙ぐんでもいた。
会場からの感想で、三重の本選会のときよりもさらに〝間〟のとり方が良くなっていたとの声も上がり、柏葉高演劇部の精進ぶりをほめる姿もあった。ひと夏の締めくくりの大とりを見事に演じ切った帯広柏葉高校演劇部に拍手はひときわ大きく、長く続いていた。
おめでとう。素晴らしい舞台でした。
(寄稿 保母善将)













